蔵の想い

平成20年11月28日、早朝。酒米を蒸す蒸気が 20年ぶりに蘇りました。 

昭和63年に休業した酒蔵に、再び活気を取り戻したい。

 

決意してから13年。

清酒離れが進むなか、自分の目指す酒とは?

販売先はどうするのか・・・

何度も自問自答しながらも、多くの方々に支えられて、 

ここまでたどり着く事ができました。 

 

造りを再開した平成20年は 蔵の新たな歴史の始まりです。

家族中心で造る小さな蔵ではありますが、

毎年造りを重ねてより良いお酒を造れるよう、

精進していきたいと思っています。

 

                                           6代目 杜氏 小松潤平


昨今の食事は和洋中、創作料理など多種多様化しています。

またこれに伴って、お酒の嗜好も変化してきているように 思います。

 

そこで油を使った料理や味の濃い食べ物との相性に 的を絞った日本酒を造る事にしました。

赤身の刺身や酢の物、揚げ物、肉料理など、料理の味に酒が負ける事なく、後味はすっきりと…。

そして、自然とまた料理に箸が伸びる…。

そんなイメージで酒造りに取り組みました。

 

酵母の開発が進み、香りの高い日本酒を造るのは 難しくなくなりました。

しかし、派手な吟醸香は料理の邪魔をしてしまうと考えています。

主役はあくまで料理で、お酒は料理を引き立てる脇役。

主張しすぎない美味しさこそ「本当に良い酒」ではないかと 考えています。

 

食べ慣れた何気ない料理が、何倍も美味しくなる…。

そんな、名脇役のような日本酒を目指して酒造りに 励んでいきたいと思っています。


大分三井 復活への想い

大分県で開発され、地元で愛されたお米「大分三井」。

 

大粒で栽培が難しい事から、昭和40年代に姿を消したこのお米を使い、

 

大分でしか造れないお酒を造りたい。

 

一握りの種籾から復活へ取り組み、ようやくお酒を仕込めるだけの量を

 

収穫する事ができました。

 

気候、風土、仕込水、文化。

 

 

“大分”のすべてが詰まった日本酒をご賞味下さい。